新型コロナウイルスの影響で、世界のライフスタイルは一気に変化し、多くの国が自粛など外出する機会が減っていて、飲食店や小売店などは接触せずに消費者とコミュニケーションを取るかが課題となっています。世界中で非接触の接客・販売の手段としてライブコマースが注目されるようになり、もともと盛り上がりをみせていた中華圏は更に市場が拡大しています。その動向を受けて欧米でも多くの企業が参入するなど徐々に広がりを見せています。
アメリカもコロナでEC市場が拡大
2019年のアメリカのEC市場規模は6,016.5億USドル(約63兆5,030億円)と前年比14.9%増となっています。この数値は日本の3.2倍の市場規模になっており、アメリカのEC市場の成長率は日本の7.65%を上回っています。
2020年もEC市場規模は上昇すると予測されていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、7,097.8億USドル(約75兆円)、前年比18.0%増となり一気に売上が拡大しました。さらにアメリカのEC化率は14.5%に達する見込みで、コロナの影響で一気にEコマースがアメリカ全土に普及していました。
アメリカのEC市場はAmazonが牽引
アメリカのEC市場を牽引してるのはAmazonでEC市場シェアはおよそ4割に達します。また、eBay、Walmart、Apple、Home Depot、Wayfair、Best Buy等がEC市場で続いているが、現状はAmazonの一人勝ちの状況となっています。アメリカのEC市場で売れている商品はコンピュータ・家電製品で1,330億6,900万USドル(約14兆800億円)、アパレル・アクセサリーが1,230億3,300万USドル(約13兆円)となり、この特にコロナ禍での売上を伸ばしています。また、成長率のトップは飲料・食料、続いて化粧品・健康食品、そして家具・生活雑貨とコロナの影響で売れ筋商品も変化しています。
アメリカEC市場のキーワードはD2C
アメリカのD2Cにおける2019年の売上高は142.8億USドル(約1兆5,000億円)の規模となり、成長率は前年比33.1%増と急成長しています。2022年になるとD2Cは 245.2億USドル(約2兆6,000億円)に達する予想されています。
また、アメリカは5人に2人の割合で「D2C」の企業から商品を購入しているというデータが発表されたり、プライベートブランドの本格的なECショップ参入が近年目立っています。
SNSの浸透でEC市場も拡大
2019年のアメリカにおけるSNS経由のインターネット注文の売上高は194.2億USドル(約2兆524億円)に達し、成長率は前年比25.2%とSNSの影響が一気に広がっています。2020年には252.6億USドル(約2兆6,724億円)の売上となり、前年比30.1%増と成長率も加速しています。さらに、2022年には383.4億US(約4兆558億円)ドルまで達する予測となっており、ソーシャルコマースばなりではなく、SNSからECサイトへの流入も大きな存在感を示しています。
ライブコマースを牽引する世界のGAFA
GAFAの4社のうちGoogle、Amazon、Facebookの3社が、2020年にライブコマースに関するサービス開始することを公開しました。こうした流れから、日本でもライブコマース市場をしっかりと見据えてビジネスを考えていくことが求められます。
Googleが公開したのは、shoploopというYouTubeとSNSとECサイトを融合させたサービスです。90秒のショートムービーで商品を紹介する動画などが、他のライブコマースとは大きく異なる点であり、短時間で商品の良さを伝えるスキルが求められます。より高いコンテンツと高い信頼性で消費者の心を掴むかが成功するための秘訣になります。
Amazon
AmazonはAmazon Liveを更新してインフルエンサーのためのライブコマースサービスをアメリカで展開しています。コンピューターや家電、コスメや美容品など多数のカテゴリーでライブ配信できるようになっており、インフルエンサーの需要が一気に伸びており、いかにインフルエンサーが商品を販売しやすい環境のサービスになるかがこれからの注目です。
Facebook Shopではオンラインショップ機能を改良したライブショッピング機能を追加し、ライブコマースの活用としてもこれから注目していく必要があります。。そしてFacebookの傘下であるInstagramでもInstagram Shopをリリースしており、今後、SNSにおけるEコマースはアメリカだけでなく世界中で活用されると予測されます。
アメリカはコロナ収束後も、Eコマースの利用者は増加すると見込まれています。
そして、Google、Amazon、Facebook、Instagramがライブコマース機能の追加することによって、SNS上でD2Cの可能性が広がる可能性を秘めています。中国以外にもライブコマースチャネルがどこまで発展し普及するか、世界のライブコマースに注目が高まります。