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テレビショッピングがネットと共存する時代

テレビショッピングがネットと共存する時代

新型コロナウイルスの影響により、テレワークが推奨されるような働き方に移行しており、生活スタイルもステイホームというスタイルが定着してきました。動画などのネットメディアも若者以外にも幅広い年齢層が視聴するようになり、 最も人気であるYouTubeに至っては40代の視聴者が一番多くなっています。もはや動画配信は若者だけが楽しむツールではなく、老若男女問わず楽しめるように進化しており、様々なコンテンツが求められています。

動画配信の進化により、人々が相互に情報交換し、商品を手軽に購入する仕組みが誕生しょうとしています。期待される動画コンテンツとコロナ禍で成長しているEC通販を組み合わせたネット通販はどう進化していくのでしょうか?これまで動画コンテンツを利用した通信販売といえばテレビショッピングですが、テレビショッピングを理解することで、ネットショッピングの新しいカタチが見えてくるかもしれません。

テレビショッピングが成功してきた経緯

テレビショッピングとECは同じ通信販売というイメージを持つ人が多いと思いますが、テレビとネットではチャネルや媒体の特性が大きく異なります。主要な顧客層も変わっていきます。テレビショッピングの最大の特徴はテレビで24時間365日、いつでも番組を見ることができることでした。一家に一台必ずお茶の間の前にテレビが存在していた時代において、約2700万世帯がすぐにでも通販番組を視聴可能な状態にあり、これは日本の全世帯数の約半分にあたる世帯に番組をお届けできる利点を秘めていました。当時はPCをみたり、スマートフォンでネットを能動的にみる習慣はなく、BSやCSなどの衛星放送では通信販売専門のチャンネルも登場していました。毎日24時間通販番組を放映することで、各放送ごとにテーマに基づいた商品を集中して紹介し、視聴者を引きつけるようにして成功を収めるテレビショッピングが登場しました。

テレビ通販で求められる役割

テレビショッピングで売上を上げるためには、司令塔の存在は必要不可欠になります。番組は常に視聴者との心理戦となり、その番組の流れで判断の基になるのがプロデューザーです。放送中に今どのくらい注文件数が増えているか、どのサイズ・色が売れているかを随時把握し、常に攻め手を変えて演出することが求められます。また、時間帯によっては注文が殺到することもあり、コールセンターにつながりにくくなることも想定し、演者に「注文が集中しています」という指示を行ったり、テロップを乗せるなどの工夫も必要です。最近ではECサイトへ誘導するなど、電話注文以外でも注文窓口を増やし、機会損失を減らす工夫もされています。テレビショッピングではライブ感を最大限活かす工夫を随所に施し、視聴者の求める内容をデータを元に先回りして信頼を築いています。

テレビショッピングの課題

テレビ全盛期の時代において、テレビショッピングは欠かせない番組のひとつとなり、日本国内以外にも海外のショッピングチャンネルも人気となっていました。しかし、昨今は YouTubeやNetflixなどの台頭により、若年層のテレビ視聴率低下が大きな課題となっています。また、テレビ視聴者の年齢層も高齢化し、求められる番組やテレビショッピングで売れる商品にも偏りが出てきている問題もこれからクリアしなければなりません。現在のテレビショッピングの年齢層は40~60代の女性がユーザーの7割以上を占めており、購買層が限定されることがデメリットにもなっています。

鍵を握るライブコマースで求められること

テレビショッピングをそのままウェブで販売すれば売れるということではありません。テレビショッピングで放送している番組をインターネットでそのまま放映しても、インターネットの視聴者層とマッチしていないので、ネットで新規ユーザーを開拓することが求められています。視聴者を飽きさせない映像作りのノウハウとを組み合わせ、上手くウェブへと落としむことがネット通販だと求められます。

また、商品を販売するときには、機能や特徴だけをアピールするだけでなく、ストーリーを描き、視聴者が興味を抱くポイントを上手く捉えていくことが重要です。これはネット通販では描ききれない内容なので、動画コンテンツでEC通販でできなかったニーズを捉えることが可能になります。テレビショピングの制作技術やノウハウを上手く最大限活用し、ネットに転用することで、若年層にもアプローチが可能となり、新しい市場が生まれるきっかけになると期待できます。EC通販では表現のできない「ワクワク」や「感動」を伝えることがライブコマースの成功の鍵となります。

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