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日本でライブコマースが成功しない理由

日本でライブコマースが成功しない理由

中国のライブコマース市場はKOL(Key Opinion Leader)と称される、インフルエンサーが配信するライブコマースが最も効果的な販促手法の1つとなりました。 中国最大手のEC通販サイトであるTmallによると、2019年のダブルイレブン(独身の日)における「Taobao live」の取引総額は200億元(約3140億円)となり、大きな市場を築き上げています。こうした中国のライブコマースの流行を日本でも取り入れる動きがみられます。

ライブコマースの可能性

中国のライブコマース市場は今も拡大しており、2019年の中国のライブコマースの市場規模は4,338億元(約6兆9,408億円、1元=約16円)となっています。また、新型コロナウイルスの影響により外出が制限されためインターネット通販の利用が拡大、ライブコマースの認知度が一気に広まり、2021年には2兆元規模に急拡大すると予測されています。日本でもインターネット通販のEコマース市場は約17兆円の市場があり、今後も拡大していくと予測されています。また、スマートフォンの普及や5G導入の流れにより動画配信の需要が高まりつつあり、飲食同様に店舗を持たないお店が増加するなどライブコマースの活性化や普及に可能性が拡がっています。

日本でもライブコマースを導入する企業が続出

日本でも2017年から様々なプラットフォームが参入しました。ライブコマースは直感的な商品理解と短時間の購入決定という2つのメリットがあります。従来のECサイトでは大量の商品から検索し商品を決定するプロセスに長い時間を要しますが、ライブコマースではこれまでのEコマースでは伝えきれなかった、使い方のレクチャーや消費者が配信者に直接リアルタイムで質問できることなど、オフラインでの買い物により近い体験を通じて商品を直感的に理解し、短時間で購入決定が可能になります。こうした特徴から、Eコマース大手が続々とライブコマースに参入しました。

Yahoo!ショッピングのライブコマース「Yahoo!ショッピング LIVE」

2017年11月からサービスはスタートし、 LIVEは毎日12時から23時30分まで30分ごとの番組枠で各出店ストアから放送していました。1つの30分の枠に10チャンネル(ストア)まで予約可能で、最大で230ストアが配信できる計算になります。しかし、2018年2月に本リリースとしてカテゴリ、配信ストアが拡大されましたが、実際に配信しているストアも少ない状況で、1日のチャンネル数が10にも満たないような状況が続いたようです。そして2020年6月にサービス終了を発表しました。

メルカリチャンネル

「メルカリ」は、個人が簡単にモノの売り買いが楽しめるフリマアプリで、自分の家の不要なものや見知らぬ誰かの不要なものをアプリやPCから売ったり、買ったりできることが人気となっています。そしてメルカリチャンネルは、視聴者と販売者がコメントやリアクションを通して相互にコミュニケーションをとることができ、写真や文章だけでは伝わらない商品のイメージがライブ配信動画を通して伝えられる機能として、2017年7月より「メルカリ」アプリ内で提供を開始しました。しかし、2019年7月8日(月)をも 「メルカリチャンネル」サービスを終了を発表。

その他にも「PinQul(ピンクル)」、ディー・エヌ・エーの「Laffy(ラッフィー)」が相次いでライブコマースから撤退しています。

日本でライブコマースが上手くいかない3つの理由

1.価格の差別化ができない

中国のライブコマースの特徴として、人気のあるKOL(Key Opinion Leader)は一度の配信で大量の商品を販売できることから、価格交渉力で優位性を保ち、市場よりも安価で商品提供が可能になっています。またメーカーは商品を直送するなど、中間事業者を少なくして低価格での販売を可能にしている。アパレルやコスメなどは注文を受けてから製造者に発注して商品を提供するC2M(Customer to Manufacture)モデルを採用し、倉庫などのコスト、在庫リスクを引き下げるといった取り組みをしている事例もあります。しかし、日本では物流の仕組みが確立しており、サプライチェーンに対等できる価格をライブコマースで提供できないという課題があります。

2.コメントの質の悪さ

ライブコマースの売りの一つとして、リアルタイムで視聴者と配信者がコミュニケーションを取れるとう点があります。しかし、他のSNS同様に悪質なコメントも多く、その悪質な視聴者をブロックする機能がライブコマースにない場合は迷惑行為が増長されやすくなります。また、番組内で配信中にコメントにより配信者と視聴者がケンカする事例が発生したり、荒らしや出品者いじめなど違反・禁止行為によるトラブルが頻発したことから、次第に配信者が減り、サービスを終了する大きな理由の一つになったと言われています。

3.プロのライブコマース配信者が不在

ライブコマースの経験者が少ないため、知識がないままライブ配信を実施しているケースが多く、放送中に著作権のあるBGMを流す行為が多発したり、自分の電話番号などの個人情報を公開する出品者もいたり、プロ不在のままライブ配信が実行されていたことが失敗の大きな要因だと言われています。まだ、日本ではライブコマースの成功者がいないため、参考になる事例もなく、スタジオや機材などもライブコマースに適応した設備を整えている配信者が存在しなかったというのも課題として残り、日本はライブコマースが発展途上というのが浮き彫りになっています。

日本でライブコマースを成功させるには

中国で成功しているライブコマースですが、中国で実施されていることをそのまま模倣すれば成功するわけではありません。しっかりと顧客のニーズを掴み、プロとしてライブコマースに向き合っていかなければなりません。日本はいつでもどこでも欲しいものが安く手に入るという土壌は確立しており、違った価値の提供を行なって行かなければなりません。「良いサービスや製品を作れば売れる時代」から、「顧客視点に立ち、顧客とともにサービスを創造しなければ選ばれない時代」に変わりつつあります。

ライブコマースではテレビ通販に負けない企画力やトーク力。そして照明や撮影機材など、視聴者が求めるコンテンツを提供していく必要があります。YouTube同様に新しいニーズを取り入れることで、今から先行者利得を勝ち取ることができる市場だと期待が膨らんでいます。

ワンランク上のライブコマースを目指す

世の中のニーズが変化する中で、販売の手法も進化しています。その中でライブコマースは大きな可能性を秘めていますが、日本ではまだ成功事例がありません。ライブ配信というカテゴリーでは「投げ銭」などで一般人がライバーとして活動しているケースや、YouTubeで案件動画として商品を販売しているケースが見受けられますが、まだまだクリエイティブなところまでは至っていないのが現状です。これまで誕生しサービスを終了したライブコマースのサービスもスマホで手軽に動画配信ができるというスタイルでしたが、日本ではテレビ通販が先行して通信販売の地位を確立していたので、消費者の目が肥えているのです。なので、スマホで撮影し、ただ商品を説明するだけでは誤魔化せません。しかし、ライブコマースの新時代にテレビ番組制作の撮影機材やスタジオ、編集や演出などの技術はECでは継承されておらず、テレビという媒体だけで一方通行の配信が行われていました。テレビのマーケットが縮小していく中で、撮影技術のノウハウや演出などをライブコマースで活用することで、潜在的なニーズを掘り起こしすきっかけになるかもしれません。そのためには、配信者となるライバーの育成はもちろん、スタジオや撮影機材のインフラも整える必要があります。また、企画をするプランナーの存在や、マーケティング目線の集客、そしてどのような商品を扱うかなどの商品選択といった目利きも求められます。こうした、求められる潜在ニーズをエコシステム化することが、日本のライブコマースの成功に必要な要素だと推測します。

現状ではYouTuberが日本の若者のなりたい職業として人気となっていますが、これから一般人が参入して職業として収益化をあげていくのは難しいと言われており、成熟化しつつあります。しかし、ライブコマースはこれから発展するビジネスなので、近い将来ライブコマース版のヒカキンが誕生する日も遠くないでしょう。

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